【M-1グランプリ2022】決勝全ネタを振り返って分析する【①カベポスター】

M-1グランプリ

M-1 2022の振り返り

M-1グランプリ2022が終わってから1ヶ月以上が経過しました。
今回はそんなM-1の振り返りの記事。

決勝全ネタを振り返り、「このネタはこの点が追い風となり、ハマったのでは」「このネタはこれが原因でハマらなかったのでは」などを見ていきます。

まずは各コンビのファーストラウンドと最終決戦のネタを点数化。
私自身の好みは一切度外視し、
会場のウケ具合やネタの内容、その日の出来などから導き出したものとなります。

ファーストラウンドのネタ

カベポスター:85点
真空ジェシカ:87点
オズワルド:82点
ロングコートダディ:91点
さや香:95点
男性ブランコ:90点
ダイヤモンド: 78点
ヨネダ2000:88点
キュウ:79点
ウエストランド:92点

最終決戦

ウエストランド:94点
ロングコートダディ:88点
さや香:91点


 

上記の点数がかなり会場の空気に近いのではないかなと思います。
そしてこれは実際の順位とも合致。これはかなり珍しい。

例年“この組はウケの割にそこまで順位が伸びなかったな”というケースがあるのですが、
今年はそういったケースがありませんでした。

ウエストランドとロングコートダディはちょっとどちらを上にするか悩みました
ネタのウケではロングコートダディですが、空気の掴み方はウエストランドだったのでまあトントンくらいで。

ともかく、実際の点数はかなり会場の盛り上がりに沿ったものになっていることがわかります。
「会場は盛り上がってるのに、何でこのコンビが落ちたんだ!」という声は、例年と比べてかなり少なかったのではないでしょうか。
各組、順当に評価された印象です。

それでは1組ずつ、良かった点と気になった点を振り返ります。今回はこの組。

カベポスター

良かった点

・トップバッターに非常に適していたネタだと思います。審査員からすると基準点にしやすかったと思う。
まとまっていて減点要素が少ない。
構成のわかりやすさ。伏線回収もそつがない。
・M-1で和牛を求めていた人と支持層が少し被っていそうな印象。品がある。

気になった点

・キャラや展開など、各要素にもうひと味欲しかったところ。色々な面でのインパクト不足は感じた。
・ネタに隙が無いため、視聴後に語る余白が少なく、視聴者が話題に出す頻度も少なくなる傾向にある。カベポスターが話題として挙がる場面では、採点や平場など、ネタ以外の話がテーマになるケースが多い。

まとめ

ネタ自体はそつがなく、まとまっていて素晴らしい出来。
内容もパフォーマンスもお客さんへの受け入れられ方も良かった。
歴代のトップバッターの中でも高評価になるのは納得の出来だと思います。

ただ個人的には、ネタにもっと色が欲しいと感じました。
“伏線回収”や“奇抜な設定”が標準装備となりつつあるM-1において、オーソドックスなネタに大きなプラスアルファが欲しい。
具体的には魅力的なキャラクターや、動き・見せ方の幅、強烈なワードなど。

カベポスターは決してマイナスがあったわけではありませんが、上位陣のプラス幅が大き過ぎて、相対的にネタの印象が薄くなった気はします。

魅力的なキャラクターや、動き・見せ方の幅、強烈なワードの重要性、
これは上位の組ほど顕著で、例えば一見天丼のように見えても動きや間が毎回違うために新鮮に見えたりします。
一方、下位の組ほど動きの種類が比較的少なかったり(笑いの取り方が似たような動きだったり、言葉のチョイスが一辺倒)、
あるいはキャラクターの魅力の伝え方で手こずった傾向はあります。

もちろん一つのボケの破壊力が強すぎて「シンプルな天丼が一番美味しい」というケースもありますが、
基本的にはネタ中の動きの見せ方や言葉のチョイスは色々調整することが大事だというのは改めて感じました。
天丼であっても常に新鮮に見せる工夫。
武器は多いに越したことは無い。

カベポスターの場合、仮にトップバッターではなく良い順番を引けた場合は、640点台〜651、652点あたりになったかと思います。4位〜6位あたりの争いに絡めていたはず。

今回なによりカベポスターを見ていて個人的に感じたのは、その肝の座りっぷりです。
トップバッターという難しい役割をこれだけそつなくこなせるコンビも中々いないと思う。
敗退時コメントで審査員に食らいついていくくだりは良かったと思います。

来年以降、より注目される存在となるはず。
“84点”を覆す、リベンジに期待したい。

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