【審査・点数】M-1グランプリ2024・決勝戦を視聴しての個人的な感想 #M1グランプリ #M1グランプリ2024

M-1グランプリ

個人的な点数

94点:バッテリィズ(1本目)、令和ロマン(2本目)、真空ジェシカ(2本目)
93点:令和ロマン(1本目)、真空ジェシカ(1本目)
92点:エバース
91点:マユリカ、バッテリィズ(2本目)
90点:
89点:トム・ブラウン
88点:ダイタク
87点:ヤーレンズ、ジョックロック
86点:ママタルト

まずはファーストラウンドから。

①令和ロマン

えぐすぎる。
笑みくじの段階から掴んでた。
笑みくじ→せり上がり→「終わらせましょう」で掴み切ってた。

ネタの精度もえぐい。
去年と同じく共感を武器とした喋りのネタだけど、その精度が去年よりも高かった。

例えば、去年はボケのクオリティにムラがあったり、ツッコミがやや置きに行った間の取り方をしていたり、
つまりは不安定さが目立っていたんだけど、今年は全く付け入る隙がなかった。
前年度チャンピオンだけど、めちゃくちゃ舞台に立った?
そつがなさ過ぎる。安定感。

昨年時点で既にめちゃくちゃ上手かったブランディングも、今年は完成されてた。
せり上がりえぐ過ぎる。お笑い芸人の登場シーンでは無い。

トップバッターにして661点相当という破格の得点も納得。

②ヤーレンズ

一組目令和ロマン、二組目ヤーレンズって今年の笑みくじどうなってるんだ

ネタが並列的で、抑揚が足りずつまりは刺激が足りないと感じた。

ヤーレンズの強みである「ウザ」や「無駄」要素が意外と無くて、大きな展開(つまりは意外性)も無いため、
起伏に富んだ令和ロマンと比べた時にパワー不足を感じたのは確か。

あと、単純に本人達のボルテージも令和ロマンと比べると控えめだった印象。
なんとなく2008のキングコングや2010のナイツのようなテンションの低さを感じた。
一組前の令和ロマンが爆発して、色々気負ったか。

③真空ジェシカ

2021決勝ネタ・一日市長の強化版みたいな感じ。
このネタ自体は何度か見たことがあるけど、やっぱり面白い。
伝わりやすさを高めて、射程圏を広げた感じ。2022の時とは対極の進化。

例えば、2022決勝ネタでは色んなネットスラングや尖った笑い所が盛り込まれたりしていたんだけど、
そういうネタが刺さる相手は局所的だし、何より「真空ジェシカじゃなくて良い」。

真空ジェシカ以外の色んな芸人が、似たようなネットスラングを取り入れたネタを無限にやっている。
そんな手垢のついたボケに頼らなくても、真空ジェシカはもっと伝わりやすく、もっと面白いことが出来るはず。

だから今回は、ネットスラングも入ってはいたけど、かなり伝わりやすい種類のものだった。

大喜利漫才だけど、より「真空ジェシカとしての純度」の高いネタになってて、
つまりは絶対そっちの方が面白いし伝わりやすい、と思った。

④マユリカ

決勝映えするコンビやなぁ。
キャラが強いし、華もある。
どんな順位でも、平場で活躍する。
番組からするとありがたい存在だと思う。

ネタもM-1向き。
キャラのパワーも相まって笑ってしまう。

⑤ダイタク

双子という属性はあるものの、基本的のスタイルは堅実なオーソドックスなので、
M-1という舞台で評価されにくいのは確か。つまりはパンチ力不足。

それを補うWボケのリターン漫才は確かに整っているのだけど、
フォーマット以外の部分の付録がもっと欲しいな、と感じた。

⑥ジョックロック

これはナイツの塙さんがたびたび言っていることだけど、
「ボケ単体で成立する笑い」がもっとあれば。

実質フリのようなボケが大半を占めるため、ツッコミにかかる注目度が必要以上に増し、スタイルに慣れられるのも早まった印象。

また、ボケ単体で笑いを取れないため、他のコンビと比べて手数不足にも陥りやすい。

「やっぱりマイナンバーカードを作るの怖いな」などのエッジの効いたツッコミがもっとあれば、
2004の南海キャンディーズ的な感じで上位に入れる可能性も生まれたかもしれない……
うーん、それでもスタイル的にちょっと厳しい気はする。

2020のホテイソンや2021のもも、今年のバッテリィズにも言えることだけど、
こういう特徴的なスタイルの漫才師は、スタイルを見せた翌年度以降かなり勝ち上がり辛くなる。
相当な工夫、または方針転換を迫られる。

⑦バッテリィズ

どハマり!
決勝映えしそう、とは思っていたけど。
他のコンビが粗い旧M-1時代だったら、多分獲ってた。

ただ、今回は新だったことと、令和ロマンがいたことが要因で阻まれてしまった印象。
ジョックロック同様、来年以降鬼門になってくると思う。

⑧ママタルト

マユリカに近いものを感じるので、ハマる可能性はあるかなと思ったけど今回は不発か。

もっとウケて良い気もした。
爆発した組の後だったことで煽りを受けた部分もあったとは思う。

ただ、最下位だけどダメージが限りなく小さい最下位だったと思う。

⑨エバース

噛まなかった!!!!
M-1の予選を含め、正直見るたび噛んでる印象なのだけど、
今回全く噛まず!!アツい!!

エバースのネタすごい好きなんだよなぁ。
かまいたちやオズワルド以上に「会話」のネタで、無理に笑いをとりに行こうとしない。
良い意味で若手らしくない。見てて醒めない。

ロジックと二人の価値観で笑わせる、卓越したネタ作りの技術だと思う。
来年度以降優勝候補になるコンビ。
エバースは決勝常連になり得る。

⑩トム・ブラウン

みちおさんの挨拶にあらゆる感情がこもっていた。

昨年、これまでの彼らのネタとは異なる造りのネタを生み出して覚醒。敗者復活戦で旋風を巻き起こした。
今回の決勝ネタは、あの時と同じフォーマット。

これ、今回が初見だったらなぁ……!
大吉先生の言う通り、敗者復活戦のネタを大体みんな知っちゃっているのが敗因の一つでもあると思う。

2018と同じ6位、2018と同じく「2本目のネタを言って、今田さんに興味を持たれる」くだりがあって泣きそうになりました。

ファイナル①真空ジェシカ

めっっっっちゃ笑った。
初めてファイナルに進んだ真空ジェシカ、これまでの大喜利漫才からは少し毛色の異なるネタ披露。
そら面白いわ。

こういう歪な笑いの取り方好き。

ファイナル②令和ロマン

完成度や笑いの量で言えば令和ロマンだと思う。
最も多くの人が支持する漫才。
強いわやっぱり。

ファイナル③バッテリィズ

一本目と比べて少しパワーダウンした印象。
それでも面白いけど、令和ロマンを明確に超えるネタではなかったか。

個人的な点数

94点:バッテリィズ(1本目)、令和ロマン(2本目)、真空ジェシカ(2本目)
93点:令和ロマン(1本目)、真空ジェシカ(1本目)
92点:エバース
91点:マユリカ、バッテリィズ(2本目)
90点:
89点:トム・ブラウン
88点:ダイタク
87点:ヤーレンズ、ジョックロック
86点:ママタルト

完成度の令和ロマン、歪さの真空ジェシカ、キャラのバッテリィズ。
どれを選ぶかはもはや好み。

今回、私の中では令和ロマンと真空ジェシカで鬼ほど悩みました。
で、もし自分が審査員だったら令和ロマンに入れてると思います。

次のページは、リアルタイムで見た時の直感的な感想。

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