【M-1、KOC…】ネタ以外の要素で追い風に乗ったコンビ達【にゃんこスター/マヂカルラブリー】

M-1グランプリ

勝負はネタの前から始まっている。
ネタ前VTR、せり上がり……
ネタ以外の要素で追い風に乗ったコンビ達を紹介。

にゃんこスター

にゃんこスターに関しては、
リアルタイムで見た人と、後から見た人で評価に凄まじい差がある。
一体なぜか?
その理由の大部分は、にゃんこスターのネタ前VTRにある。

「にゃんこスターが勝てばお笑いの歴史が変わる」
「コンビ歴数ヶ月で決勝進出」
「『どんなオチやねん』的な同業者のコメントが拾われる」など、
とにかくにゃんこスターの特異性を押し出しつつ期待を膨らませるような要素が盛りだくさんのネタ前VTR。

コンビ歴数ヶ月で決勝進出、比較的希少な男女コンビ、見た目もポップということもあり、
見る人の多くが「どんな革新的なネタをするんだ?」とワクワクしたはず。
その上、賞レースの緊張感。

これら全てがフリになってからの、あのリズム縄跳びの天丼ネタ。

お笑いの基本とも言える天丼ネタが、
ネタ前VTRがフリになっている分、その落差が衝撃的に映えた。
そう、ここが重要。
ネタ前VTRが振りに振ってくれたおかげで、注目度のバフがかかっているのである。

とはいえ、全てがVTRの力ではない

「リズム縄跳び」という珍しい設定や、
見た目がポップでキャッチーな点、
そして型破りなオチなど、
やっぱりネタとしては秀逸。

生放送の緊張感を味わいながら、
にゃんこスターのネタ前VTRを見て「何か起起こるのか…?」とワクワクしつつ、
トリッキーなようでシンプルなネタに笑わされ、
衝撃的なオチに心を持っていかれる。

これらは全て、生放送で見ているから味わえる醍醐味であり、

リアルタイムで見てない人が後から「にゃんこスターってコンビ、2位だったのか。へー、そんな面白いのかな」と、
緊張感の無い状態でハードルだけ上げて、前後の流れ無視でネタだけを見たところで、
リアルタイム視聴ほどのインパクトが無いのは当然である。
事後視聴故に、生放送のハラハラ感も無い。

賞レースを楽しむのはやはり、リアルタイムに限る。

ちなみにかくいう私も、KOC2017のファーストラウンドで一番笑ったのはにゃんこスターだった。
笑ったし、ワクワク感があった。

マヂカルラブリー

ネタ前VTRでの2017回想→土下座(正座)せり上がり

この一連の流れが掴みの役割を担ったおかげで、2017と比べて格段にネタに入りやすくなっている。

登場と同時に掴みを完了していることになるので、大会史上最速の掴みと言ってもいい。

とはいえこれは、2017の最下位&上沼さんとのやり取りや、その後の執拗なまでの「えみちゃん待っててね」コメントを踏まえて起こった笑いなので、
つまりは三年を要した掴みといってもいい。
大会史上最速の掴みでありながら、
大会史上最長の掴みかもしれない。

もしこのVTR&せり上がりによる掴みがなければ、
ネタの盛り上がりが一段階ダウンし、
ファーストラウンドで見取り図や錦鯉に競り負けていた可能性があり、
最終決戦の出番順が変わったり、そもそも最終決戦に進出出来なかった可能性もあった。

最下位になったことが、優勝に繋がる掴みを生むとは、面白いものである(?)。

ちなみに、私は2009年に予選でマヂカルラブリーを見てからずっと応援していたので、
2017年当時はめちゃくちゃ絶望した。

野田ミュージカルも予選で見た時はめちゃくちゃ笑ったし、
2017は過去のM-1の中でもトップクラスに暖かかったので、
まさかあんな事になるとは。

今振り返れば、「①付録が少ない」+「②下ネタでもない」+「③天丼ネタ」は賞レース決勝では刺さりがすこぶる悪いということはわかるのだが、当時は本当にキツかった。

令和ロマン

ネタ中もネタ以外も、空気を支配し切った印象。

VTRでのブランディング、せり上がりのボケ、ネタ後の不遜な立ち居振る舞いなど。

2023の中では芸歴最短&トップバッター、というのも、勢いづける意味でプラスに働いたように思える。

ちなみに、個人的に令和ロマンで一番好きなネタは町工場ネタだったので、最終決戦で披露した時はめちゃくちゃテンションが上がった。
個人的に、ネタの後半は2021の準々決勝の時の方が好きだったけど、
優勝するパンチ力が明確にあるのは2023だとも思う。

また、2023は一番応援していたコンビが令和ロマンだったので、トップバッターを引いた時は絶望した。

サンドウィッチマン

2007のM-1リターンズでもいじられていたけど、
1本目終了後に伊達さんが「ネタが無い」と連呼していたことが、
二本目のハードルを微妙に下げる&二本目に注目が集まりやすくなった部分があるかもしれない。

もちろん、視聴者も本当に二本目が無い…とまでは思わないが(今田さんも「俺、他のネタ見たもん!」と言っていたし)、

敗者復活戦からの勝ち上がり&当時は無名だったこともあって、
クオリティが高いのはさっきの一本しかないのかな?」くらいに思った人はいたはず。

2007の最終決戦は全員に票が入る三つ巴。
サンドウィッチマンの一本目終了後のやり取りが違ったものだったら、結果は変わっていたかもしれない。

コロチキ

2015の前振りVTRで、「ナダルの声がとにかく特徴的」と、やたらとスポットライトを当てられていた。
VTRではナダルさんの声は徹底的に隠されており、
そんなことをされたら注目しないわけにはいかない。
結果的にこれがフリになり、ナダルさんが声を出しただけでオチる事態となった

こうして振り返ってみると、ネタ前VTRがフリや掴みの役割を果たしている組は、よくウケているし、優勝争いにも絡んでいる。

というか、VTRでウケてるのに、ネタはあんまりウケてないという事態をあんまり見たことがない。

ネタ前VTRは、つまりはネタ以外の部分…人の部分。
人を好きになって貰ってからネタに入れるわけだから、
最高のバフになるのは当然と言えば当然かもしれない。

まとめ

というわけで、ネタ以外の要素で追い風に乗ったコンビ達を見ていきました。
個人的に、2005と2021の回転式せり上がりや、
2020と2021の笑みくじ→長い廊下を歩くくだりが、
芸人さん達のキャラが色々見れて楽しいし、追い風を能動的に作れる場なので、定期的に見たいなぁ、という感じです。

というわけで以上!

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