theW
M-1グランプリの決勝も近づく中、「この賞レースも忘れてはいけない!」ということで今回はtheWを視聴。
果たして誰が栄冠に輝くのか。
ファイナリストは以下の12組。
Aブロック
TEAM BANANA
ヨネダ2000
さとなかほがらか
Aマッソ
Bブロック
天才ピアニスト
爛々
スパイク
フタリシズカ かりこる
Cブロック
河邑ミク
エルフ
紅しょうが
にぼしいわし
いわゆる優勝候補は、過去の実績があるTEAM BANANA、ヨネダ2000、Aマッソ、天才ピアニスト、紅しょうが、にぼしいわし…
って多いな。改めて決勝常連組が多数を占めますね。
芸歴縛り等が無いため、優勝しない限り地力の高い芸人が残り続ける感じでしょうか。
個人的な大会の流れの予想としては、
まずAブロックはヨネダ2000とAマッソの二強で、ヨネダ2000がぶっ飛んでる分勝ち抜け予想。
Bブロックは天才ピアニスト一強な気がします。フタリシズカのかりこるさんのネタを見たことが無いので、対抗になる可能性もあるかも知れません。
Cブロックは紅しょうが本命、対抗にぼしいわしの雰囲気だと思います。
そして最終決戦はヨネダ2000、天才ピアニスト、紅しょうが(orにぼしいわし)の3組で争って…ということですが、この3組の中での優勝は読めない。
正直どこもあり得る。
票もかなり割れる気がします。
個人的に一番応援しているのはヨネダ2000なので、優勝予想はヨネダ2000ということに。
それでは視聴した感想です。
1組目:TEAM BANANA「結婚報告」
M-1でもかけ続けていた自信のネタ。
オール巨人師匠のくだりを少し変えたんですかね。
緊張のトップバッターでもそつなく、達者に演じられてると思います。
そしてお客さんがめちゃくちゃ暖かい。最近の賞レースのトレンドになってるんでしょうか。
KOCの時のような“フリの部分で爆ウケ”という感じではないですが、
それでもかなりウケています。
そしてTEAM BANANAはトップバッター2回目なんですね…3回進出中2回ということで、さらっと運が悪い。
ちなみにトップバッター2回経験で思い出すのは笑い飯。
2005のトップバッター時には最終決戦にも進出しています。TEAM BANANAも進出できるか。
2組目:ヨネダ2000「トイレ」
M-1では決勝進出ということで、“theWでネタを消費していいのか”問題も取り巻くヨネダ2000。
まあ漫才ではなくコントをおろすとは思うのですが…
と思ってみていたらこのネタか…!
良いビジュアルしてますよね。この脂肪のだるだる具合が、ブツに酷似しているというか。
色々な意味でヨネダ2000だからこそできるネタ。
後藤さんの「我が国は今食事時なんで」が好きでした。こういう言い回し凄いすきなんだよなぁ。
にしても、theWの審査の難しさというか、漫才やコント、ピン芸でも何でもかんでも比較して審査しなければならない、というのは本当に難しいですね。
TEAM BANANAとヨネダ2000、勝ち抜いたのはヨネダ2000。
ヨネダ2000を支持したのは視聴者投票、川島、友近、野田クリ。
TEAM BANANAを支持したのは哲夫、アンガ田中、塚地。
各審査員がこういう分かれ方をするのは興味深かったです。わかる気がする。それぞれの芸人さんが何に重きを置いて見ているか、考察しがいのある結果となりました。
そして敗退時のTEAM BANANAのコメント、良いですね!
服装の色被り、事前にある程度考えていたのか、ヨネダのネタ中に考えたのかわかりませんが的確だったと思います。
3組目:さとなかほがらか「保留音」
“ボールペンソロ”が特に好きでした。
技術的に仕上がっているTEAM BANANAや、発想が飛んでいるヨネダと比べると、どちらにも明確に勝っているとは言い難い印象。
演技という点でも、緊張が見えた部分がありました。
前の2組と比べて、展開自体がかなりベタだったので、上がったハードルを中々こえられず、後半はウケが停滞した印象。
仮に制限時間が1分だったら、彼女のやり方で笑いをさらい続けることが出来たのだろうと思います。
これはヨネダ2000が全票持っていく可能性がありますね。
一方応援ブースの大会サポーターがさらば森田、ニューヨーク、鬼越トマホークといういつメン具合。
副音声も気になるな…!
結果はヨネダ2000が七票持っていく展開に。
はっきり明暗わかれる形となりました。
個人的には保留音の曲を毎回違うメロディにしたらメリハリが付いたのかなぁとは感じました。
展開だけでなく曲も同じだったのが、より“一辺倒”な印象は与えたかもしれません。
4組目:Aマッソ「面接」
Aマッソらしいテーマのネタな気はしました。
ただちょっと緊張が滑舌にあらわれていましたね…喋りが乗ってくるともっとウケたのかなという気はします。このネタに関してはそこだけだと思います。
発想の角度という点ではおそらくヨネダ2000の方が評価を受ける気がするので、やや不利か。
5対2くらいでヨネダに軍配が上がる気がします。
と思ったら結構競りましたね…!
この投票方式だと7人目に位置する野田クリスタルさんがめちゃくちゃ色んなものを負うような…
毎回呼ぶ順番を変えるのが妥当かなと思いました。
ということでAブロックを勝ち抜いたのはヨネダ2000。
優勝候補が順当に勝ち上がった感はありますが、Aマッソも良かった。
5組目:天才ピアニスト「ケンカ」
強い。
面白い。
一番色んな層に刺さるのはこのコンビかなぁという感じです。
本当にそつがない。
人によって100点と75点、50点とバラけるヨネダ2000に対し、
多くの人が90点と感じる天才ピアニスト、という印象。
それだけに“和牛枠”になりそうな気がしてならない。
今年も惜しいところで優勝を逃す可能性。
果たして勝ち切れるか。
6組目:爛々「飲み屋」
速い。走ってる。
かなり緊張してたのか、だいぶ間を詰めて喋ってましたね。特に中盤。
M-1予選でもかけていたネタでしたが、本来のリズムではなかったか。
しゃべくり漫才だとテンポが詰まるとかなり露骨にお客さんに伝わってしまうので、そこも余計に大変そうだった印象。
終盤やっと落ち着きましたね。
あとこれはM-1予選の時も思ったのですが、「顔がオダギリに似てる、かっこいいから好き」という展開には行かず、
「やばいおっさんバイトあるある」で突っ切ってくれた方が、個人的には大喜利一本で楽しめるので好きでした。
オダギリ方面に向かうと、たしかにその場で安定したウケは取れるかもしれませんが、大爆発には行かず、彼女たちならではのインパクトにも繋がりにくい気がするんですよね。
「イケメン男性にすぐなびいてしまう」という、バラエティにおける既存の女性芸人の立ち回りの枠におさまってしまうというか。
もっとストロングスタイルで戦ってもいいのかなとは思いました。
天才ピアニストが7-0で勝ちかなと予想します。
一方、リラクゼーションルームの試みはいいですね!
敗退者がアピール出来る場になるので、凄く良い取り組みだと思いました。
「応援していた芸人が敗退してしまった!でもリラクゼーションルームで活躍するかもしれないし」
と視聴を続ける動機にもなりますし、
ネタは跳ねなくても平場で跳ねる芸人もいると思います。
周りは実力のある中堅芸人で固まっているのでめちゃくちゃにはならないでしょうし、
theWの中では個人的には一番良いアイデアだと感じました。
そして結果は7-0。
にしても審査コメントがかなり気遣っている。
「僅差」が定型句みたいになってきていますね。
優しく寄り添う方向性、これがtheWの大会としての指針になるか。
あと爛々、やっぱりキャラ面白いですね。
「チョメ」含め、扱い方次第だと思います。
バラエティで浸透しやすそうな2人。
7組目:スパイク「バイト」
「八王子なんだ」が特に好きでした。
ボケに対してその都度そのままのツッコミをしていて、もう少しだけ角度をつけたり、捻ってもいいのかなと思いました。
実際「あ、プリンセスって言っちゃった」など、ちょっと捻った部分では少しお客さんも見る目が変わってるんですよね。
あと、もっとボケもぶっ飛んでいいかなと思いました。
今年のKOCで「最高の人間」で吉住さんがガチガチのキャスト演技をしていたのですが、
あれレベルとは言わずとも、あれに近い飛び演技をしてもいいのかなとは思いました。
個人的な予想はこれも7-0。
天才ピアニストがめちゃくちゃ強いと思います。
そして実際の結果も7-0。
天才ピアニストは盤石か。
後藤さんの「全票一致で〜」というところが凄く好きでした。
優しいフォロー的なコメントが非常に多いので、後藤さんの失礼ツッコミというか、そういう若干尖りのあるコメントが映えますね。
あと平場のプリンセスいいですね。
「タメてタメて、普通のことを言うキャラ」というのは芸人が周りにいる環境ではめちゃくちゃ良いのでは、と思いました。
むしろこれをネタに落とし込んでも面白そう。
さてBブロックは天才ピアニストが一強の様相を呈してきました。
正直正攻法では崩せない牙城だと思っています。
ラスト一組、サプライズはあるのか。
8組目:フタリシズカ かりこる「通話」
良かったです。
声の代わり具合もそうですが、口の合わせ具合がキモだと思うんですよね。
「はわわわわ」みたいな、口の動き自体が面白いセリフをもっと入れても良かったのかなと思います。
せっかく口を必死に合わせてる様子が見えるので、そういう視覚的な試みはもっとあると充実したのかな、という感想。
逆に、音と口のずれが気になってしまうというデメリットの部分が目立ったかなという感じです。
というか、途中から音と口を全く合わせずに暴走していく展開とかを入れても面白かったかなと思います。天竺鼠的というか。
現実性、合理性からはかけ離れますが、間違いなくざわめきと爆発は起こる。
あと電話相手の「今の収入に満足してる?」的なセリフが、本当に定型句そのままだったので面白かったです。みんながわかる絶妙なライン。
天才ピアニストとの比較は難しいですね…これも7対0で天才ピアニストに軍配でしょうか。
ただ、ここの対戦に関してはそこまでの差はない気がします。
そして実際の結果も天才ピアニストが7対0で完勝。
彼女たちがBブロックを勝ち上がったわけですが、クオリティがちょっと一段違っている感じはありました。
全く他を寄せ付けないですね。妥当だと思います。
9組目:河邑ミク「テスト」
ネタの最後のカンニングペーパーめちゃくちゃ怖くて笑いました。もはや呪詛じゃないですか。
個人的にのめり込んで見れて凄く好きでした。カンニング一辺倒ではあるのですが、見せ方の工夫に無駄がなく、やりたい笑いをストレートに伝えてくれて気持ちよかったです。
10組目:エルフ「タメ口」
凄く好きでした。
「あー、わかった!」もくどくなり過ぎず。
一発一発を大事に仕留めていく大喜利スタイル。
やりたいことの詰め合わせギフト状態のため、やや雑然としていて展開が急に感じる部分もありますが、
十分な面白さだったかと思います。
難しいですが、5対2でエルフに軍配と予想します。
…と思ったら7-0でエルフ。
まあ実際のところこれほどの差は無いとは思いますが、点数性ではなく投票制ゆえに生まれる差ですね。
あと結果が確定した後の河邑ミクさんの、覗き演技よかったです。芸人としての意地。
11組目:紅しょうが「ゴミ」
そつがない。
綺麗。ゴミがテーマのネタだけど。
「2月8日!」がめちゃくちゃ好きでした。“なんで覚えてるねん”という。
こういう、前後の脈絡や技術とは関係のない、単発で突発的なボケが入ると、
オーソドックスな他のボケも抜群に映えるなぁという印象。
theWらしく、女性層にもよく刺さりそうなネタだったと思います。
あとコントで勝負したのは大正解だと思いました。
武器や音響を多く使える分、やっぱりコントの方がインパクトはでかい。
センスや技術そのまま、小道具という武器を上乗せして、素晴らしい出来だったと思います。
予想難しい…
5対2で紅しょうがですかね。接戦だとは思います。
…と思ったら7-0。
ネタの隙のなさ故の結果でしょうか。
紅しょうが、来てますね。
12組目:にぼしいわし「水族館」
もっとウケていいと思います。
ここが今のところ、ネタの出来とお客さんのリアクションの乖離が一番あった気がする。
面白い箇所が結構あったのですが、ちょっと掴みきれないまま進んでしまったか。
あるいは10組以上見た上での笑い疲れもあったか。特に紅しょうがが爆発した後ということだったので、ちょっと難しいところはあったかもしれません。
ボケとツッコミ両方ともちょっと声に個性があり、それ故に「受け付けない」と感じる人がいるのは仕方ないですが、にしてもちょっとウケが弱いなぁ…。
M-1の予選でかけていたネタですが、決して今日の出来がまずかったわけでもありません。
むしろ前半に関しては良かったくらいだと思います。
途中から焦ってテンポを捲くところはありましたが、そこに関しては前半の出来で掴みきれないなら…と無意識に加速していくのは仕方ないと言えば仕方ないところ。
ただ仮にウケが大きくても、よりライト層へのヒキが強い紅しょうがには惜敗していたか。
予想は7-0で紅しょうが。
そして実際の結果も7-0で紅しょうが。圧巻でしたね。
これで最終の3組が出揃いました。
ヨネダ2000、天才ピアニスト、紅しょうが。
現場の評価的に天才ピアニストが100、紅しょうがが95、ヨネダ2000が90くらいの印象です。
果たして2本目はどうなるか。
特にヨネダ2000はもし優勝すると荒れそうですね。好みが分かれやすい芸風だと思うので。
ファイナル1組目:紅しょうが「怒る」
不利な漫才で挑みましたが地力で笑いを取っていきましたね。
M-1予選でもかけたネタ、たたみかけが強いなぁ。
「やっぱりキーキー怒るタイプなんや」が個人的に凄く好き。
非常に良かったと思います。
ファイナル2組目:天才ピアニスト「家族」
面白い。
VRを外す時のあの表情は抜群ですね。
本筋も付録の部分も、とにかく色んな場所で色んな笑いの取り方を出来ていて盤石だったと思います。
後半に爆発的な笑いをさらった紅しょうがと比べて、序盤〜中盤に山があったので、そういう印象値では紅しょうがに分があるか。
唯一そこが懸念点かなと思います。
ファイナル3組目:ヨネダ2000「犬」
個人的に、パラパラまでは特に好きでした。
オチのパラパラは好みが分かれるかもしれません。
難しいこれ。
紅しょうが:0.
天才ピアニスト:5
ヨネダ2000:2
くらいの票の配分ですかね。
多分紅しょうがと天才ピアニストは好みのタイプが似てるので票を食い合う気はします。
そして実際の結果は…
紅しょうが:1
天才ピアニスト:4
ヨネダ2000:2
天才ピアニストおめでとう!!!!!!!
終始強かった。
引き出しの数の多さに驚かされました。
面白い。
ヨネダも紅しょうがも決して完敗というわけではありません。
好みで分かれた部分もあったと思います。
特にヨネダ2000。
個人的な点数
86点:天才ピアニスト(2本目)
85点:天才ピアニスト(1本目)、紅しょうが(2本目)
84点:紅しょうが(1本目)、にぼしいわし、ヨネダ2000(2本目)
83点:ヨネダ2000(1本目)、Aマッソ、エルフ
82点:TEAM BANANA、河邑ミク
81点:フタリシズカ かりこる
80点:スパイク
79点:爛々
78点:さとなかほがらか
はい、というわけで感想ですが…
審査結果というか、勝敗自体は私の感覚と完全に一致していました。
theWに関しては物凄く私の感覚と審査結果が一致するんですよね。M-1やKOCでは必ずどこかズレが起こるのですが。なんでなんだろう。
お客さんの反応も妥当なところは多かった印象。
ただ、コントと比べて漫才はちょっと不利か。
紅しょうがの2本目もウケがちょっとまばらなところはありましたし、
にぼしいわしや爛々など、「漫才があまりウケずに、中盤以降焦ってテンポを崩す…」という流れが出来つつあります。
そういう意味では2本ともコントで戦うのが正攻法ということになってくるか。
あるいはこの流れを打破する芸人が現れるのか。
来年も期待して見たいと思います。
改めて、天才ピアニストのお二人おめでとうございます!!
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